事故の発生から緊急逮捕まで


※運転手・教員・生徒などバス側の証言を元に作成した時系列表です。( 2013/7/4更新)

午後2:34

片岡氏は高知市春野町弘岡中の変型四差路交差点に面したレストラン・グローバルバイキングの駐車場から、 車道に侵入前、自歩道の境界付近で一時停止した後 、交差点内を横断する形でバスを進行させた。中央分離帯付近で下り車線に合流のため停止、右折のタイミングを計っていたところへ突然、何かがぶつかってきた。驚いて窓の下を見ると白バイだった。

衝突の衝撃でバスの警報装置が作動した。止めるのに少し手間取ったが、バスから降り、すぐに隊員のところに駆けつけ声を掛けたが返事がなかった。隊員の体は外観はキレイだった。

その時、下り車線に同僚隊員が現れ白バイを東側路側帯に停め車道を走って横断してきた。片岡氏は救急車の手配を頼んだ。片岡氏は横たわっている隊員のそばにいた。

 高知県警白バイ事件の裁判記録によれば、午後二時三四分スクールバスと白バイとの衝突事故は起こった。それから三時四分現行犯逮捕までの経緯に奇妙な点があることに気がついた。それは、この三〇分間の市川幸男隊員と片岡晴彦受刑者(現在)との接触の有り様である。二人の尋問調書と、周辺目撃者の証言を参考にすると、この三〇分間の経緯は、ほぼ次の通りである。事故直後約一五秒〜三〇秒程で市川隊員が現れ、市川隊員は即座に救急車を呼ぶため通報に向かった。それから数十秒後、もう一台の白バイ隊員が事故現場に直行してきた。

 市川隊員は、携帯電話で「119番」通報していた(通信記録証明有)。(略)  それから片岡さんは、重傷の隊員に付き添い、救護に懸命だったようだ。救急車が到着した時、市川隊員と片岡さんの二人で重傷の隊員をタンカに乗せている。(略)

 もし市川隊員が事故の一部始終を目撃したのならば、現認した被疑者として片岡さんの身柄を拘束し、現行犯逮捕していなければならない。が、市川隊員の調書では、特に片岡さんに関する質問部分に顕著な動揺が読み取れ「片岡さんがどこにいたのか分からない。覚えていない」との証言であり、逮捕もしていない。

 二人の接触を詳細に読み解くと、市川隊員には事故の一部始終を目撃し、犯罪を現認した警察官として行動していた様子がなく、偶然通りかかった事故の直後に遭遇した警官の職務の遂行しか見られない。

※『修復的正義は機能しないのか 山下由佳』より

午後2:48

救急車とパトカーが到着する。救急処置を見守り、隊員を担架で救急車に乗せるのを手伝う。隊員搬送。片岡 氏は救急車を見送る。到着した警官らは現場にコーンを立て交通整理と実況見分の準備を始める。

午後2:55

実況見分開始。生徒・教職員はバスを降り、東側のレストラン、グローリーに移動を始める。

午後2:55〜3:04

この時すでに一部の報道関係者が到着しておりバスの窓に向けてマイクを突き出すなどした。運転手が土佐署 に引致されてから、バスに乗り込んできた警官が生徒や引率の教員に事故を目撃したかどうかを尋ねた。数名の 生徒と校長が手を挙げる。特に校長は自家用車に乗りバスの後方で停止していたので衝突の瞬間を目撃してい た。手を挙げた生徒はバスの中から白バイが走ってくるところを目撃していた。残りの生徒達を、レストランの 店長と通りがかった一般の方の誘導でバスから降ろし、レストラン・グローリー2階に移動させた。生徒達は 『爆発の恐れがあるからバスから降りろ』と警官に言われている。

午後3時丁度に校長はマスコミ7社の取材を受ける。真っ先に現場に到着していたのが高知新聞であった。

片岡氏はこれから実況見分が始まるのだと考えてそのまま外で待機していると、土佐署から別のパトカーが現 れる。


午後3:04

事故直後、白バイ隊員が救急車で搬送された後、運転手は「今から現場検証が始るか」と思ったそうだ。  ところが、T署所属のパトカーがやってきて、そのパトカーから一人の警官が走り寄ってきた。そのときの警 官の表情を運転手は今でも覚えているそうだ。ずいぶんと険しい顔つきだったそうです。  そして、いきなり「15時04分、業務上傷害致傷で緊急逮捕する」と通告すると、運転手に手錠をかけ土佐 署に連行した。  土佐署に連行された運転手は、事故の状況等の取り調べを受けるでもなく、15時40分頃、隊員が死亡した のを受けて容疑は「業務上過失致死」に切り替えられた。

※支援者ブログより

険しい表情をした警官に業務上過失傷害の容疑で緊急逮捕を告げられ、手錠を掛けられたうえ、パトカーで土佐署に引致される。(険しい表情と「緊急逮捕」という恫喝、そして生徒らの面前で手錠をかけるという屈辱的な行為で運転手に重大犯罪を犯したと錯誤させ、冷静な判断力を奪い、社会から隔絶されたと思いこませる意図があったと推測される。「緊急逮捕」は運転手の恐怖心を煽るために利用されたが実際は現行犯逮捕)

一部の生徒は二階の窓から現場の様子を見ていた。

緊急逮捕の要件

刑訴法210条
死刑・無 期又は長期3年以上の懲役もしくは禁固の罪にあたること
罪を犯したことを疑うに足りる充分な理由がある場合
急速を要し、裁判官の逮捕状を求めることができないとき
そして、逮捕状が直ちに出ない場合は、被疑者を釈放しなければならない。

手錠の使用

犯罪捜査規範127条
逮捕した被疑者が逃亡し、自殺し、又は暴行する等のおそれがある場合において必要があるときは、確実に手錠を使用しなければならない。
2  前項の規定により、手錠を使用する場合においても、苛酷にわたらないように注意するとともに、衆目に触れないように努めなければならない。


逮捕後から事情聴取

PM3:04〜4:15[1時間11分]

土佐署で片岡氏は署の一室で一人待機させられた。再び現場に連れ戻されるまで聴取はされなかった。

[生徒・学校関係者はどうしていたか]

事故を目撃した校長、教員、生徒達は目撃調書を取ると言う名目で土佐署に連れて行かれた。(現場には事故の目撃者が誰もいなくなった)しかし、その頃現場では詳しく

グローリー2階に移動した生徒の一部は窓から警官かオイル処理剤をまく様子を見ている。そこに教員が来て 「窓を閉めなさい、証人として(警察署に)呼ばれますよ」と、生徒に窓を閉めさせる。警察に指示されたと推定されている。

校長は土佐署に3時30分頃着いて、2時間少し供述した。しかし、警察官からは事故状況について聞かれなかったため校長の調書には事故状況の供述がない
また、警察官の方から「実況見分に立ち会ってほしい」という要請もなかった。校長は直近で衝突の瞬間を目撃 した重要目撃者であるにもかかわらず立ち会いを要請されることはなかった。

3月8日は公立高校の後期選抜試験日。一年前の今頃も同じく入試が行われてました。

 当時スクールバスに乗っていたのは中3生で、そのなかには2日後に入試を控えた生徒も少なからずいまし た。

 そこへこの死亡事故です。学校や家庭での後々のケアは大変だったことでしょう。中でもカウンセラーを派 遣する等、県教委の迅速な対応はさすがと感じました。

 土佐署にて3名の中学生が2時間半ほど目撃調書を取られたようです。かなり疲れたことでしょう。そのう ち2名の目撃調書が警察から検察へまわされたようです。

※支援者ブログより「引率教師の証言」

生徒達は事故当日午後4時くらいから目撃調書を取られたようですが、帰宅したのは午後9時を回っていた生 徒もいたようです。どうして、現場を離れて、それほどの長時間の聴取が必要なんでしょうか。

事故当事者の片岡さんには何も聞かないでいたのに、生徒達を長時間拘束したということです。生徒たちには かなりの心理負担があったとおもいます。

警察署に連れて行かれた生徒の話には続きがありまして、事故の翌日、県の教育委員会から死亡事故に出会っ た生徒達のケアのためにカウンセラーが派遣されたのです。

最初は集団カウンセリングをしたのですが、その中の3人の生徒がショック状態が続いていると言うことで個 別カウンセリングを受けることとなりました。その3人が警察で調書を取られた3人です。

もちろん、そのカウンセラーは3人が土佐署で調書を取られた事は知りませんでした。

※支援者ブログより「父兄談話」


午後4:15

運転手が現場に戻された時にはバスはすでに撤去されていた。覆面パトカーの窓から衝突地点を指を指すよう に言われただけで降ろされることはなかった。顔は出すなと言われ「窓の外に腕を出して指をさせ」と言われ た。スリップ痕の確認をすることは不可能だった。

バスは東側レストラン・グローリーの駐車場に駐められていた。そこでバ スの運転席に座らされ、バスの外から写真を撮られた

※ 裁判では「土佐署に引致されるまでバス内で待機するよう命じられた片岡氏は運転席に座った。その時数枚 の写真を撮られた」ことになっていた。この時撮られた運転席に座る片岡氏とスリップ痕が一緒に写ってい る写真が有罪判決の決め手の一つとなっている。詳しく

午後4:48

再び、土佐署に戻される。留置

翌3月4日(土)

この3日間の間で、聴取された内容は「遺族に対する心情」とスクールバスの任意保険契約関係、事故までの行動のみで「事故の内 容」についての取調べが行われていない。詳しく

翌々3月5日(日)

昼前、釈放。

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