バス側目撃者を連れ去った後の現場の状況


高知地裁裁判官、片多康は判決理由文の中で事故後の現場の状況をこう認定している。

証拠写真などから、スリップ痕は、事故の際に形成されたとみるのが極めて自然。さらに(事故直後の)現場には、やじ馬や報道関係者が居合わせるなど、いわば衆人環視の状況にあり、警察官らがスリップ痕を捏造する可能性はほとんどなかった。

■ なぜ、現場からバス側の目撃者を引き離したのか、現場はその頃どのような状態だったのか。地裁裁判官・片多康の言うように本当に衆人環視だったのか。報道番組のキャプチャー画像から同時刻の現場の様子をうかがうことができる。現場には何らかの意思を持って約30名の警察関係者が蝟集したようである。

[写真1] 一般人目撃者の存在を監視し制圧する動員された警官ら
互いに連携し360°の監視体制をとる。 写真中央左には右に湾曲する「スリップ痕らしきもの」が写っている。後輪のスリップ痕は一切ついていない。影の位置から[写真3]の「スケールと左スリップ痕」の写真の撮られる前の映像である。

[1]南東方向、ゴルフ練習場と住宅地からの視線を気にする私服警官
[2]向かいのレストラン「グローバルバイキング」を視野におさめ会話を装う。騒音の大きい国道沿いで 会話するにしては相手との距離があきすぎている。また、立ち位置が車道上である。国道に出入りする 車両を一旦停止させチェックするつもりのように見える。
[3]間近のレストラン「グローリー」1階を視野に納め、客の出入りを監視する
[4]レストラン「グローリー」2階を見上げる私服。2階からの目撃者がいないか注視している。威圧の姿勢にも見える
[5]と[7]会話を装うがお互いの距離が離れている。[5]は南西方向[7]はレストラン「グローリー」と北方向歩道を視野におさめている
[6]レストラン「グローリー」の駐車場、丁度駐車中の軽四トラックの方向を監視する
[8]南方向歩道を監視する
[9]向かいのレストラン「グローバルバイキング」の駐車場方向を監視する


■ 実況見分調書によると、現場は押しボタン信号黄色点滅中の変則交差点、見分時5分間の通行量は車300台(他の現場写真、報道映像からも通行量については疑問が残る)、通行人0名となっている。実況見分時に現場を通りかかった歩行者は一人もいなかった。現場周辺のレストラン、ゴルフ練習場の利 用者が少ない平日の午後2時半〜3時、目撃者の視線も限定される。これを遮断すれば捏造の機会は容易に作れる。事故直後に捏造行為そのものを見通せる野次馬、報道関係者が居合わせたという事実はない。

[写真2] 交通整理の警官を除いて約10名の警察関係者がブレーキ痕を取り囲み謀議をしている様子である。事故後約1時間半後にこれだけの関係者が現場に立つというのは異様な光景である。一旦でっちあげた筋書きに破綻がないか関係者が勢揃いし確認しているようにも見える。(同僚の死亡事故現場で彼らは整列し頭を垂れ死者の冥福を祈ったのだろうか。仮にその祈りが「善性」に基づくものであれば、なぜ祈りの代わりに保身のための悪質な偽装工作を行ったのだろうか)

■ このような状態で数名がしゃがみ込めば、路面にスリップ痕や擦過痕を描いてもその様子は通行人や報道陣からは見えない。

白昼作り上げられた密室の中で堂々と捏造は行われたと考えられる。 [写真3]その成果品ともいえる「ハの字」に広がった写真が撮られたのは[写真1]が撮影された後の時間帯 である。

 

※「ハの字」に広がっていることは現場検証時のステレオ写真からコンピューターによって自動作図された図面から証明される。

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