検察主張のバスの挙動

バスは車道に進入する前に一旦停止し、 5秒後6.5メートル 進んだところで白バイと衝突した。その時のバスの速度は 10km/h 。衝突で白バイ隊員を3.6メートル前方にはね飛ばし、白バイを 2.9メートル 引き摺り停止した。

以上の条件で縮尺を1メートル=10ピクセルに縮小縮尺に対する速度比もほぼ正確に再現したのが下のアニメーションです。 60km/h(16.7m/秒)のバイクが衝突する5秒前(16.7m×5秒=83.5m手前)からアニメはスタートします。バスが車道に進入すると同時にバイクが画面右に現れます。縦グレー線は10m間隔です。

手間を省くために道路は直線となっています。 (背景にはgoogle earthの航空写真を利用しています)
道路の見通し距離は100m程度ということなので、右から バイクが現れたときに、道路が少し右カーブしていることから、侵入しようとするバスは真正面に見えているはずです。

駐車場から車道への侵入路は車道に対して右に角度が付いています。アニメでは侵入位置が異なりますが、バスも若干右にハンドルを切った状態だったため衝突位置はほぼこの位置と考えて良いでしょう。

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白バイが回避行動を取っていたら

ネットでは仮に検察の主張通りバスが衝突5秒前に車道に侵入してきても、白バイの走行速度である60キロを少し超える程度であれば止まることができる。または進路を変更することで衝突は余裕で回避できるという一般ライダーの意見が圧倒的でした。彼らは通常走行ではこの事故は起こらないと断言しています。衝突を回避するには卓越した運転技術は必要ではありません。目の前のバスに気付き5メートル前で進路を右に約10度振るだけで、余裕を持って衝突を回避できます。(バスの破損状況から白バイはほぼ直角に衝突しており、ハンドル操作で衝突を回避しようとしたが避けきれず10km/h走行中のバスに突っ込んだという仮定にも無理があります)

白バイは時速60km/hで衝突地点めがけて走り続けます。バスは0発進から上り車線の中央手前の4.5メートル地点まで等加速度で10km/hに達し、加速度ゼロの定速走行に入ります。その後、中央地点から中央分離帯で停止するために減速にはいるという走行モデルを想定しています。

検察の主張は、生命体を維持するための最低限の危険回避本能すら備わっていない隊員がひたすら死に向かって疾走を続けた、という純粋実験環境での衝突現象を人間世界に置き換えただけの低質な冤罪ストーリーにすぎません。ストーリーからは生身の人間の生と死、人生を彩るはずの諸々の人間感情が欠如した幼児的な遊技の世界しかうかがうことができません。

 

 

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